C.A.オライリーとM.L.タッシュマンの著書「両利きの経営」(東洋経済新報社)は、訳者の入山章栄先生の前書きによれば、「世界のイノベーション研究でおそらく最も重要な経営理論である。」とのことです。企業活動における両利きとは、主に「探索」と「深化」という活動がバランスよく高い次元で取れていることを指すそうです。「探索」とは、なるべく自身・自社の既存の認知を超えて、遠くに認知を拡げていこうとする行為であり、「深化」とは、成功しそうなものを見極めて、それを深堀りし、磨き込んでいく活動です。しかし、一般的に企業は、事業が成熟するに伴い、どんどん「深化」に偏っていく傾向が知られています。目先の収益のために「深化」にとらわれて「探索」を怠るとイノベーションが枯渇してしまうということです。したがって、「探索」と「深化」にバランスよく資源配分することで、現在の収益を確保しつつ、次代の収益の種を見つけていく必要があると思います。そこが非常に難しいのですが、今後もそのバランスを追求していきたいと思います。
目次