地政学リスクの増大による原材料や、人口減少に伴う人件費の高騰など、経営への影響が大きくなる中、中小企業の社長様は何に困っておられるのか。今回は、成長志向を有する社長様に共通する「お困りごとTop3」を紹介します。こちらは、「コンサルタントの経営数字の教科書」和仁達也著(かんき出版)からの引用です。
①「会社のお金の流れが漠然としている」ことへのストレス
一般的には「資金繰りが苦しい」、「利益が出せずに赤字」ということが思い浮かべられますが、そればかりではありません。たとえ黒字でも「会社のお金の流れが漠然としている」ことへのストレス、つまり「ドンブリ経営で先の見通しが立たない」から不安ということが挙げられます。現状のお金の流れを見える化し、3年後、5年後、10年後の見通しを立てることが必要です。
②「社長と社員の立場の違いからくる危機感のズレ」へのストレス
社長はかなりの危機感を持って日々の経営にあたり、5年後、10年後の会社の行方を憂いているのに、社員は”のほほ~ん”としており、まったく危機感が感じられないし、動こうとしない。そんな危機感のズレに頭を悩ませている社長が多いと伺います。「私はこんなに心配しているのに、なぜ社員には響かないんだ。」そんな恨み節が聞こえてきそうです。
③「次のワクワクするビジョンが見えない」ことへのストレス
続いて、「次のワクワクするビジョンが見えない」というストレスです。独立して7-10年くらいの方が直面するそうです。ある程度結果も出せたが、次のビジョンが見えない、自分ひとりで考えていると同じレールの上のぐるぐる回り続けてしまう感じがする、だから、自分の見落としに気づかせてくれる話し相手が欲しいのですが、それが見当たらないということです。
社長のお悩みを解決に導く「お金のブロックパズル」
上記のとおり、①「ドンブリ経営の克服」、②「社長と社員との危機感のズレの解消」、③「次のワクワクするビジョンづくり」を解決し、意思決定を最適化するための経営数字をいかに活用するか、その答えが「お金のブロックパズル」にあります。これは、下図のとおり、売上、粗利、変動費、固定費、利益、キャッシュフローなどを一つの図で表したものです。これによって、会社のキャッシュフローの状況が視覚的に分かりやすくなり、全体像が掴みやすくなります。また、次回記載しますが、目標利益額を設定したり、適正な人件費を計画したり、売上・利益を上げるための戦略を構築する際に非常に役立ちます。ぜひ、ご活用いただければと思います。
